一般皮膚科

かゆみがある方

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は日常診療で皮膚科医が頻繁に診察する病気です。アトピー性皮膚炎は良くなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみを伴うしっしんで、患者さんの多くはアトピー素因を持っています。アトピー素因とは「本人またはご家族に、喘息やアレルギー性結膜炎、鼻炎、アトピー性皮膚炎のうちいずれかの病気、あるいは複数の病気をお持ちの方がいること」「IgEというアレルギーに関わる抗体(免疫グロブリン)をつくりやすい」素因のことをいいます。
アトピー性皮膚炎は赤ちゃんの時期から発症し、多くは年齢とともに軽快しますが、大人になっても症状が続く難治な患者さんもいらっしゃいます。顔やくび、ひじの内側、ひざのうらなどに左右対称性にかゆいしっしんができます。患者さんの多くは乾燥肌で皮膚のバリア機能が低下しており、そのため少しの刺激で皮膚が過敏になりしっしんができやすくなると考えられています。

治療

アトピー性皮膚炎の治療の目標は、日常生活に支障がなく、薬も必要としない状態を維持することです。ステロイド外用薬、タクロリムス外用薬、JAK阻害薬などの塗り薬で皮膚炎の症状を速やかに抑えます(寛解導入療法)。皮膚を清潔にし、入浴後はワセリンやヘパリン類似物質の外用薬で保湿のスキンケアを行います。皮膚炎が再発しやすい患者さんは、明らかな症状がなくてもステロイド外用薬を間欠的(例えば週2回程度)に使用するプロアクティブ療法を行います。標準的な外用治療で改善しない難治な患者さんは、紫外線療法や注射薬(抗IL-4/13受容体抗体:デュピルマブ)、内服JAK阻害薬などの治療を検討します。
大学病院勤務時代に多くの経験を積んでいます。不安があれば何でもお尋ねください。「ステロイドは副作用が怖い」と思われる患者さんもいると思いますが、ステロイドの塗り薬は、飲み薬のような全身的な副作用は少なく、正しく使えば効果的で安全なお薬です。非ステロイド系抗炎症薬外用治療の有効性は乏しく、副作用を考慮すると使用はおすすめしません。

かぶれ・接触皮膚炎

原因物質に接触することで生じるしっしんであり、いわゆる「かぶれ」のことです。あらゆるものが原因となります。金属製品(ピアス、ネックレス)、化粧品、ヘアカラー、植物などが原因として多いものです。接触部位に一致して、かゆみを伴う、赤み、ぶつぶつ、水ぶくれなどを生じます。診断確定のためパッチテストを行います。原因と疑われる物質を直接皮膚に貼付して反応をみる検査です。検査の2日後、3日後、1週間後の来院が必要になります。接触皮膚炎は、症状のある部位から原因物質を推定することができます。正しい診断のために患者さんから詳しく生活歴を聴取することが重要ですのでご協力ください。

治療

原因物質が特定できれば、それとの接触を避けることが最も重要です。症状に対してはステロイドの塗り薬、かゆみを和らげる飲み薬を服用します。

脂漏性皮膚炎

皮脂の分泌が多い部位にふけやカサブタと赤みを生じる病気です。頭皮、顔面、わきの下などに起こります。乳児、思春期~40歳代以降の男性に多いです。原因として、皮脂分泌機能の異常や、マラセチアという皮膚の常在菌の関与が考えられています。

治療

乳児の脂漏性皮膚炎は1歳ごろまでに自然に治ります。ステロイドの塗り薬は有効ですが、大人の脂漏性皮膚炎は慢性に繰り返し経過します。マラセチアに対する抗菌作用のある塗り薬(抗真菌薬)の治療も選択肢のひとつです。

じんましん

じんましんは、皮膚に存在する肥満細胞という免疫細胞から放出されるヒスタミンなどの物質により、一過性の血管の拡張、皮膚の浮腫が生じ、かゆみや赤み、地図状に皮膚がわずかに盛り上がるといった症状が起こります。問診やアレルギーテストで誘引が特定される場合もありますが、約70%は誘引が特定できません(特発性じんましん)。小児のじんましんは風邪やインフルエンザなどの感染症に伴って生じることが多いです。
通常数時間で症状はあとかたを残さず消失するので、皮膚科を受診されたときには全く症状がないことも稀ではありません。携帯電話のカメラで症状の記録を撮って受診いただくと診断の手掛かりになります。じんましんに呼吸困難、血圧の低下などショック症状を合併するものをアナフィラキシーといいます。小麦や甲殻類など特定の食物を食べた直後に、運動することによって起こるアナフィラキシー(食物依存性運動誘発アナフィラキシー)もあります。

治療

誘引が特定できればそれを避けることが大切です。通常は飲み薬(抗ヒスタミン薬)での治療が一般的です。抗ヒスタミン薬での治療が無効で毎日症状がでる患者さんには、4週おきの注射薬(抗IgE抗体:オマリズマブ)での治療も検討します。アナフィラキシーを伴う重症例では、アドレナリンやステロイドの全身投与を行います。

乾癬(かんせん)

銀白色の厚い鱗屑(りんせつ)を伴う境界明瞭な赤いほっしんが多発する病気です。全身の皮膚に生じますが、頭皮やひじ、ひざ、おしりなどに好発します。爪の変形もよくみられる症状です。原因はまだ解明されてはいませんが、本来自分を守るために備わっている免疫システムが過剰に反応することで起こる病気と考えられています。患者さんによっては関節の痛みや発熱、倦怠感などの全身症状が出ることもあります。関節炎は約15%の患者さんに合併し、乾癬性関節炎とよばれます。関節リウマチと症状がよく似ていますが別の病気です。日本の乾癬患者さんは約40万人程度で、男性の患者さんが女性より多い傾向にあります。幅広い年代で発症しますが、思春期以降から50歳代に多くみられます。

治療

乾癬の症状や範囲、患者さんの生活習慣や希望などさまざまな条件を考慮して最も適した治療を決定します。塗り薬にはステロイド外用薬と活性型ビタミンD3外用薬などがあり、症状に合わせて併用することもあります。光線療法は皮膚の炎症や過剰な増殖を抑える効果があり、乾癬にも有効です。当院では2台の紫外線治療器(ナローバンドUVB、エキシマライト)を導入しています。ナローバンドUVBは波長311nmをピークとするUVBを広範囲病変に、エキシマライトは波長308nmをピークとするUVBを局所的に照射します。どちらも1週間に2~3回程度の通院が必要です。これらの治療を行っても十分な効果が得られない中等症から重症の患者さんは飲み薬(エトレチナート、アプレミラスト、シクロスポリン)で治療します。
さらに重症例、難治例は注射(生物学的製剤)での治療を考慮します。乾癬はいわゆるメタボリック症候群を合併しやすく、乾癬の増悪にも関連しています。乾癬は皮膚にとどまらず、全身の炎症を引き起こすため、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高いことが知られています。したがってかかりつけ内科医との連携や、生活習慣の改善指導も行います。

皮脂欠乏症・乾皮症

中高齢者のうでやあし、背中などに生じる皮膚乾燥症です。老化や皮脂、角質水分量の低下が主な原因です。夏は環境中の湿度や発汗で軽快しますが、冬になると悪化します。皮膚のバリア機能が低下し、外部刺激に過敏になりかゆみを生じ、かきむしることでしっしんの原因になります。

治療

ワセリンやヘパリン類似物質などの保湿の塗り薬で保湿します。しっしんになっている部位はステロイドの塗り薬で治療します。かゆみがあれば飲み薬の治療も考慮します。頻回の入浴、タオルによる摩擦、脱脂作用の強いせっけんの使用を控えるなどの生活指導を行います。

できものがある方

ニキビ・痤瘡

痤瘡とは俗にニキビと呼ばれるもので、思春期から青年期にかけて顔や胸、背中に生じます。ニキビが生じるメカニズムは複雑で、遺伝的素因や年齢、環境因子(食生活、睡眠、薬物、精神的ストレス、化粧品など)が関わっています。ニキビ痕を残さないよう適切な治療を行うことが大切です。

治療

外用薬は、抗生物質外用剤(ナジフロキサシン、オゼノキサシン、クリンダマイシン)やレチノイド外用剤、過酸化ベンゾイルを処方し、内服薬としては、抗生物質や漢方薬の飲み薬を処方します。自費治療にはなりますが、レーザー治療やイオン導入、ケミカルピーリングでの治療も行っています。また、にきびができにくい皮膚を作ることも大切ですので、医師による生活指導やスキンケア指導(洗顔、ニキビ用基礎化粧品、メイクアップ指導)も行います。

粉瘤・アテローマ

粉瘤とは皮膚に袋状の組織でき、そこに角質や皮脂がたまって徐々に大きくなってしまったものです。良性の皮膚腫瘍の一種であり、アテローマ、表皮嚢腫とも呼ばれます。細菌が侵入して化膿すると赤く腫れて、痛みを引き起こします。

治療

局所麻酔を行った後、くりぬき法または切開法により袋状の組織と内容物を取り出して傷を縫い合わせます。必要に応じて抗生物質、痛み止めの内服治療を行います。当クリニックではできる限り傷跡が目立たないように治療することを心がけており、小切開による手術を行います。

稗粒腫(はいりゅうしゅ)

主に目の周囲や頬にできる直径1~2mm程度の白色~黄色のブツブツした発疹です。白ニキビに似ていますが異なります。

治療

注射針で小さく切開し白色球状の内容物(角質の塊)を圧出します。

汗管腫(かんかんしゅ)

直径1~3mm、ほぼ正常な皮膚色の硬いブツブツで、思春期ごろから目立つようになります。女性に多く、まぶたによくできますが、首や胸にできることもあります。

治療

悪性化することはなく心配するものではありません。切除することはできますが、たくさんできることが多く全てを取り切るのは難しいです。自費診療になりますが炭酸ガスレーザーでの治療を試みることもあります。

色素性母斑

俗にほくろと呼ばれる、黒いアザのことです。

治療

保険治療、自費治療ともに行っております。ほくろの形や大きさ、部位によって、切除もしくはCO2レーザー(炭酸ガスレーザー)の治療を行います。

老人性いぼ・脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)

20歳代の方にもできることはありますが、60歳代では80%、80歳代では100%にみられます。茶色ないし黒色で扁平に盛り上がったイボ様のできものです。頭から顔、首などによくできますが、全身のどこにでもできます。がんと見分けるのが難しい場合もあり、ダーモスコピーで病変部を拡大し、正確な診断に努めます。

治療

液体窒素による凍結療法を行います。部位や大きさによってCO2レーザー(炭酸ガスレーザー)による治療も行います(保険適用外)。

日光角化症・Bowen病

日光角化症は、日光(紫外線)を多く浴びる顔や頭部に多く発症し、淡い褐色から紅褐色の表面がカサカサとした1~2cmのシミです。Bowen病は、胸、腹、太ももなどの日光に当たらない部位に発症し、淡い紅色から褐色調であることが多く、一部盛り上がったり表面にはかさぶた(痂皮(かひ))がついていたり、正常皮膚との境界がはっきりしているのが特徴です。

治療

頭部や顔面に生じた日光角化症ではイミキモドクリームによる外用治療が可能です。他の部位に生じた日光角化症やBowen病では液体窒素による凍結療法や麻酔を行ったあとメスで切除する外科切除があります。

脂肪腫

脂肪腫とは、皮膚の下に脂肪を蓄えた細胞が増えてできた良性の皮膚腫瘍です。大きさは様々で、全身どこにでも発生します。徐々に増大し、放置するとかなり大きくなることもあります。

治療

手術での切除を行います。切除方法は様々で、脂肪腫の大きさや形によって、最適な切除方法を検討します。

痛みがある方

やけど・熱傷

暖房を使用する冬に多く、ストーブやポットの熱湯が原因のことが多いです。最近では小児、特によちよち歩きを始めた幼児がウォーターサーバーで受傷することが多いです。やけどは皮膚が傷害された深さにによって3度4段階に分けられます。やけど直後は深さの判断ができない場合が少なくありません。

治療

まずはあわてずに水道水などで患部を冷やしてください。軽症であると自己判断はせずに早めにご来院ください。カイロや湯たんぽなどの低温熱傷の患者さんは軽く考えて受診が遅れることが多いです。症状の深度によって使用する外用薬が異なります。痛みの強い場合は痛み止めの内服薬を、二次感染を生じている場合は抗菌剤を処方します。

帯状疱疹

帯状疱疹は「水ぼうそう」のウイルスが原因で起こります。一番最初に感染した時(主に幼少期)に「水ぼうそう」として発症し、一旦免疫をつくり症状は治まりますが、ウイルスは一生体に潜伏します。免疫力が低下したとき、潜んでいたウイルスが再活性化して帯状疱疹を発症します。

治療

抗ウィルス薬の内服薬を処方します。腎機能が低下している患者さんには抗ウイルス薬を減量する必要があり、かかりつけ医や健康診断での血液検査の結果を持参していただけると治療がスムーズに行えます。とても痛い病気ですので、鎮痛薬の内服も必要になります。痛みを我慢すると帯状疱疹後神経痛が残りますので、痛みは我慢せず申し出てください。最近、予防効果の高いワクチンも開発されました。当クリニックではワクチン接種も行っておりますので中高年の方で帯状疱疹の発症が心配な方はご相談ください。

床ずれ・皮膚潰瘍

皮膚潰瘍の原因は様々ですが、外傷や皮膚の血流不全などによって皮膚に欠損ができた状態です。床ずれや糖尿病・血流障害に伴う下肢潰瘍などは重症化しやすく、治癒まで長い時間を必要とします。

治療

症状によって治療法も異なります。糖尿病や動脈硬化が原因の場合は内科主治医との連携も必要です。患部の洗浄、外用薬治療で改善しない重症の患者さんは手術が必要になることもありますので総合病院と連携し、治療いたします。治療後に再発しないよう予防指導も行います。

うおのめ・鶏眼、たこ・べんち

うおのめ・たこは、どちらとも長期にわたる物理的な刺激によって皮膚の角質が硬く厚くなる病気です。うおのめは足に多いですが、たこは刺激の加わる部位であれば他の場所にも生じます。うおのめは、厚くなった角質が皮膚の内部に向かってくさび状に芯ができ、歩行時に激しい痛みを伴うのが特徴です。一方、たこは、皮膚が外側に少し黄色味を帯びて厚く盛り上がり、芯は無く、痛みがないことが多いです。

治療

まず症状が悪化しないよう、患部の刺激を少なくするような工夫も必要です。できてしまったうおのめ・たこは、貼り薬で硬くなった部分を柔らかくして取り除く方法が一般的です。場合によっては、メスやレーザーを用いて取り除く治療もあります。

蜂窩織炎・蜂巣炎

わずかな切り傷、虫刺されや水虫などから化膿性連鎖球菌や黄色ブドウ球菌が皮膚の深部や皮下脂肪組織に侵入し感染し、赤みや腫れ、痛みがあり、ひどくなると発熱をともないます。ひざから足首までの部分によく生じますが、他の部ににもみられます。

治療

治療としては、安静と抗生物質を内服します。症状がひどい場合は点滴治療が必要なこともありますので、その際は入院での治療が可能な施設と連携し治療します。

急性爪囲炎・瘭疽(ひょうそ)

指先のささくれのような小さな傷などをきっかけにして感染が起こり、爪の周囲が赤くはれ上がって強い痛みを伴います。膿がたまることもあります。

治療

主に黄色ブドウ球菌が原因ですので、この菌に効果のある抗生物質の飲み薬や軟膏で治療をします。痛みが強い場合には痛み止めの飲み薬を併用します。膿がたまっている場合は小さい穴をあけて、膿を出してあげると痛みが弱まり、早くよくなります。

異物

原因となる異物は木くず、木棘からガラス、魚骨など多種多様ですが、多くは患者さんの問診、患部の観察で診断できます。

治療

麻酔なしで取り除ける例が多いですが、異物が深く侵入し容易に除去できないような異物は、局部に麻酔をして切開したのちに摘出することも検討します。

うつる皮膚疾患

白癬:たむし、みずむし、しらくも

皮膚糸状菌(主に白癬菌)が皮膚や爪、毛髪に感染しておこる皮膚疾患です。部位によって足白癬・手白癬(みずむし)、体部白癬・股部白癬(たむし)、爪白癬(爪みずむし)、頭部白癬(しらくも)などに分けられます。みずむしはかゆいと一般の方は考えておられるかもしれませんが、約半数の方にはかゆみはありません。診断には病変部の皮膚、髪、爪を採取して、菌がいるかどうかを顕微鏡で確認することが必要です。

治療

主に塗り薬での治療になります。しらくも(頭部白癬)や爪みずむし(爪白癬)の場合は飲み薬で治療します。肝機能が悪い方は飲み薬の治療ができない場合があり、かかりつけ医や人間ドックの血液検査を受診時に持参していただけると治療がスムーズに行えます。

いぼ・尋常性疣贅

いわゆるいぼはヒト乳頭腫ウイルスが皮膚に感染することが原因で起こる病気です。手のひら、足のうらによくできます。足のうらに生じたいぼはうおのめにそっくりですが、治療法が異なりますのでしっかり見分けることが必要です。

治療

液体窒素によって患部を凍結させ、ウイルスを皮膚の細胞ごと破壊する治療が一般的です。難治な場合はCO2レーザー(炭酸ガスレーザー)自費診療での治療も行っております。

梅毒

梅毒は、梅毒トレポネーマという病原菌による感染症です。主に性行為で感染します。感染から約3週間後、外陰部に触れると硬いただれを生じ、足の付け根のリンパ節が腫れますが、これらの症状は自然に消失します。感染からさらに3ヶ月後に、手のひら、足のうらを含む全身にさまざまな発疹が生じます。多くの場合、何ヶ月かするとこれらの症状は自然に消失しますが、病気が治ったわけではありません。梅毒は昔の病気のイメージがありますが、最近患者さんが増加しており、感染した母親からお腹の赤ちゃんに感染(先天梅毒)する例も増えています。

治療

ペニシリン系の抗生物質で治る病気です。通常は飲み薬で治療しますが、重症の場合は注射で治療します。パートナーの検査・治療もあわせて行う必要があります。

淋病

淋菌の感染が原因で起こる性感染症のひとつです。男性では強い排尿時痛と尿道から膿がでるのが特徴です。女性は男性より症状が軽いことが多く、無症状の場合もあります。

治療

抗生物質が効きにくい淋菌(薬剤耐性菌)が増えており、治療薬は限られています。筋肉あるいは静脈注射で治療します。パートナーの検査・治療もあわせて行う必要があります。

尖圭コンジローマ

ヒト乳頭腫ウイルスが性器へ感染し、約3ヶ月程の潜伏期を経て、性器や肛門の周りに乳頭状、カリフラワー状のいぼができる病気です。

治療

数や大きさ、部位などによって、液体窒素で病変部を凍らせていぼを取り除く凍結療法、いぼを焼いて除去する電気メス、CO2レーザー(炭酸ガスレーザー:自費診療)の治療方法を選択します。また、効果的な外用薬(イミキモドクリーム)もありますので、症状に合った治療をしていきます。

シラミ症

シラミ症はシラミが人に寄生し、吸血することでアレルギー反応を生じかゆくなる病気です。寄生する部位によりアタマジラミ症、コロモジラミ症、ケジラミ症に分けますが、それぞれ別のシラミです。アタマジラミ症は頭部の接触、ヘアブラシ、帽子の共有で感染し、家族間、幼稚園や保育園、学校で集団発生がみられます。コロモジラミ症は路上生活者に多く、ケジラミ症は性行為で感染します。

治療

市販のフェノトリンパウダーやスミスリンシャンプーで治療します。最近スミスリンの効かない、耐性アタマジラミが増加しており、治療に長期間かかる場合もあります。

疥癬(かいせん)

疥癬は、ヒゼンダニが皮膚の角質層に寄生することによって生じます。皮膚の直接接触の他、衣類や寝具を介して間接的にも感染します。以前は性感染症として発症することが多かったのですが、現在では家族内、病院内、保育園、老人ホームなどでの集団感染が問題となっています。夜間の激しいかゆみが特徴ですが、かゆみはヒゼンダニに対するアレルギー反応により生じます。

治療

ヒゼンダニに直接作用するフェノトリンローションの外用、イベルメクチンの内服で治療します。かゆみに対しては飲み薬(抗ヒスタミン薬)で治療します。患者だけでなく、家族や同居者にも問診・検査を行うことが大切で、疥癬と診断した場合は同様に治療します。

その他の疾患

膠原病(こうげんびょう)

膠原病とは、何らかの免疫の異常によって、皮膚をはじめとする全身の臓器に炎症を起こす病気です。関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、全身性強皮症、結節性多発動脈炎などが膠原病とよばれる病気です。膠原病は、膠原病内科、リウマチ科など内科や整形外科で診療することもありますが、皮膚症状が初発症状となることも多く、膠原病の早期診断において皮膚科医の果たす役割はとても大きいと考えます。皮膚症状から膠原病が疑われる場合は、全身症状を確認することが重要です。また、当初は皮膚症状のみでも、経過中に他の臓器症状が出現する可能性があることにも注意が必要です。

治療

難病といわれる膠原病ですが、関節リウマチでは生物学的製剤と呼ばれる新しいメカニズムの治療法が確立され、劇的に治療が進歩しています。皮膚科を受診することの多い全身性エリテマトーデスでも抗マラリア薬(プラケニル)が日本でも保険で処方できるようになりました。日光にあたることを避ける、体を冷やさない、喫煙をしないなど生活で注意しなければならないこともあります。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

手のひらや足のうらに白くぷつぷつとしたうみをもった発疹(膿疱)ができ、慢性に繰り返し出現します。約10%の患者さんは上胸部痛(胸肋鎖骨間骨化症)を合併します。

治療

ステロイド外用剤、ビタミンD3軟膏の外用薬や、症状がひどい場合はビタミンA誘導体(エトレチナート)の飲み薬を用いることもあります。エキシマライトなどの光線療法も有効です。重症で治りにくい患者さんは、生物学的製剤(グセルクマブ)という新しいお薬の治療が保険で可能になりました。慢性扁桃炎、虫歯や歯周病、副鼻腔炎(ちくのう)が発症に関わっている場合は耳鼻咽喉科や歯科のクリニックと連携して治療にあたります。タバコは症状を悪化させますので禁煙した方がよいでしょう。

がん・皮膚悪性腫瘍

皮膚がんの主な種類として、基底細胞がん、有棘細胞がん、悪性黒色腫があります。 基底細胞がんや有棘細胞がんは顔面に生じることが多く、悪性黒色腫は足のうら、手のひら、爪の下などに生じることが多いです。いずれも早期では痛みもかゆみもなく、一般の方ではイボやホクロと見分けるのが難しいです。がんと言ってても、早期に診断し適切に対処すれば心配はありません。気になるできものがあればまず皮膚科を受診してください。

治療

皮膚がんは早期診断、治療が原則です。治療はいずれも手術での摘出切除が中心となり、摘出が難しい場合には放射線治療や化学療法も検討し、総合病院と連携して治療にあたります。皮膚科の医師としてこれまで多くの症例を経験しておりますので、適切な検査をした上で診断いたします。

尋常性白斑

尋常性白斑とは、皮膚の黒い色素(メラニン)を作る細胞(メラニン細胞)が減少もしくは消失することによって、皮膚の色が部分的に抜けて白くなる病気です。原因は明らかではありませんが自己に対する免疫の異常が関わっているのではないかと考えられています。

治療

副腎皮質ステロイドの塗り薬で治療します。定期的な通院が必要となりますが光線療法も有効です。当クリニックでは、局所から広範囲まで症状が出ている部分に合わせて照射できる光線治療器2台(ナローバンドUVB、エキシマライト)を導入しています。

円形脱毛症

境界明瞭な円形の脱毛斑が突然できる病気です。大部分は頭髪に生じますが、眉毛や腕や脚の手にも脱毛がみられることもあります。最近では自分の毛を造る細胞に対する免疫の異常から引き起こされる「自己免疫疾患」と考えられています。

治療

軽症であれば塗り薬(副腎皮質ステロイド、塩化カルプロニウム)で治療します。再発する患者さんには光線療法や局所免疫療法(保険適用外)を行います。重症で広範囲に脱毛がある場合はステロイドの点滴治療を行います。

薬疹

薬を飲んだり注射したりすることで生ずる発疹のことで、その多くは薬に対するアレルギー反応です。皮膚にかゆみを生じるだけではなく、発熱や喉の痛みなどの全身症状を伴うこともあります。重症の薬疹(スティーブンスジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症、薬剤過敏症症候群など)は生命に関わることもあり、早期診断が大切です。

治療

多くは原因になっている薬を中止することで改善します。かゆみが強い場合はかゆみを和らげる飲み薬(抗ヒスタミン薬)、ステロイドの塗り薬を使用します。発熱や体のだるさなど全身症状を伴う場合は、短期間、ステロイドの飲み薬で治療することもあります。重症の薬疹では入院での治療が必要となるため、総合病院と連携して治療にあたります。

手足多汗症・腋窩多汗症

手のひらや足のうら、わきの下などにたくさんの汗をかき、日常生活に支障をきたす病気です。手や足の多汗症の場合は手足多汗症(掌蹠多汗症)といい、わきの下の場合には腋窩多汗症といいます。全身の発汗が多くなる場合は内科的な問題(甲状腺の病気、糖尿病、悪性リンパ腫、膠原病など)のこともあります。

治療

わきの下の多汗症にはボツリヌス毒素の注射が有効です。個人差はありますが1回の注射で4ヶ月ほど効果が持続します。健康保険が適用されますがお薬が高いので、3割負担の方で約3万円の窓口負担となります。最近、保険適用のある塗り薬(エクロックゲル)が使用できるようになりました。手のひら、足のうらの多汗症には保険適用のあるお薬はありません。市販の塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどで治療します。

口唇ヘルペス・性器ヘルペス

単純ヘルペスウイルスが原因で起こる皮膚、粘膜の病気です。ほとんどの方は成人になるまでに単純ヘルペスウイルスに感染します。普段は特に症状を起こすことはなくウイルスは潜伏していますが、ストレスや寝不足、疲労、過度の紫外線などがきっかけとなり発症します。ピリピリとした痛みを伴う小さなみずぶくれが特徴です。アトピー性皮膚炎の患者さんでは皮膚のバリア機能が低下しているため重症化しやすく、発熱やリンパ節が腫れるなどの全身症状を伴うこともあります。

治療

ヘルペスウイルスに対する塗り薬もありますが、早めの飲み薬(バラシクロビル、ファムシクロビル)での治療をおすすめします。頻回に繰り返す方には再発抑制療法を行います。

酒さ

顔面、特に鼻やほほ、眉間に赤みと毛細血管拡張が持続する原因不明の病気です。30歳以上の女性にみられることが多いです。病名に”酒”という字がついていますが、アルコールは増悪因子の1つでしかありません。ぶつぶつとした皮膚の盛り上がりがみられると、ニキビと間違われることもありますが両者は異なるものです。目の症状(結膜の充血)が合併することもあります。顔にステロイドの塗り薬を漫然と長期にわたり使用した結果、酒さと同様の皮膚症状を呈するものを酒さ様皮膚炎といいます。

治療

保険で行える治療で有効なものは少ないです。テトラサイクリン系の抗生物質やメトロニダゾールの内服は有効ですが治療は長期にわたります。鼻がこぶ状に盛り上がったりする重症の患者さんではCO2レーザー(炭酸ガスレーザー:保険適用外)での治療を行います。喫煙、アルコールやカフェイン、紫外線などは症状を悪化させますので生活習慣の改善も大切です。

老人性色素班

老人性色素斑とはいわゆるシミのことです。紫外線と皮膚の老化が原因です。顔や手の甲などによくみられます。数mm~数cm大の茶褐色から黒色の斑です。

治療

保険外治療になります。トレチノイン療法、ハイドロキノン、ケミカルピーリングなど塗り薬の治療、CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)や光治療などの治療方法があります。当クリニックでは顔画像撮影装置(VISIA-Evolution)で皮膚の状態をしっかり評価し、最適な治療法を提案いたします。しっかり日焼け止めを塗って紫外線対策を行い、悪化させないことも大切です。

男性型脱毛症

男性ホルモンの働きにより、男性の前頭部と頭頂部の頭髪が徐々にうすくなり、細く短い毛になります。通常は30歳以降、早い方では思春期以降に発症します。

治療

男性ホルモンの働きを抑える飲み薬(フィナステリド、デュタステリド)で治療します。市販されている塗り薬ですがミノキシジルも有効です。

まきづめ・陥入爪

爪の側縁が爪溝の皮膚に食いこんだ状態のことであり、爪部が赤く腫れ、化膿したりします。靴による圧迫、スポーツによる刺激などによって発症します。足の親指に多くみられます。

治療

化膿している場合は抗生物質の飲み薬や塗り薬で治療します。爪の処理としてテーピングで爪の食いこみを和らげたり、ワイヤーで巻き爪の矯正を行うこともあります。

睫毛貧毛症(まつ毛貧毛症)

まつ毛の量や長さが不十分な状態のことです。

治療

ビマプロスト(グラッシュビスタ)というお薬を1日1回、上まぶたの生え際に塗ります。このお薬は市販のまつ毛美容液とは違い、治療を目的として作られているお薬になるため、医療機関でのみ販売されています。このお薬はご自身のまつ毛を濃く、長くしていきますので、まつ毛が抜けるといった心配もありません。まつ毛エクステは、まつ毛への負担、アレルギー、異物感を感じるなどの問題があり、おすすめしません。