うつる皮膚疾患
うつる皮膚疾患には、みずむし、いぼ、梅毒、淋病、尖圭コンジローマ、シラミ症、疥癬などがあります。気になる皮膚の症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

白癬:たむし、みずむし、しらくも

皮膚糸状菌(主に白癬菌)が皮膚や爪、毛髪に感染しておこる皮膚疾患です。部位によって足白癬・手白癬(みずむし)、体部白癬・股部白癬(たむし)、爪白癬(爪みずむし)、頭部白癬(しらくも)などに分けられます。みずむしはかゆいと一般の方は考えておられるかもしれませんが、約半数の方にはかゆみはありません。診断には病変部の皮膚、髪、爪を採取して、菌がいるかどうかを顕微鏡で確認することが必要です。

治療

主に塗り薬での治療になります。しらくも(頭部白癬)や爪みずむし(爪白癬)の場合は飲み薬で治療します。肝機能が悪い方は飲み薬の治療ができない場合があり、かかりつけ医や人間ドックの血液検査を受診時に持参していただけると治療がスムーズに行えます。

いぼ・尋常性疣贅

いわゆるいぼはヒト乳頭腫ウイルスが皮膚に感染することが原因で起こる病気です。手のひら、足のうらによくできます。足のうらに生じたいぼはうおのめにそっくりですが、治療法が異なりますのでしっかり見分けることが必要です。

治療

液体窒素によって患部を凍結させ、ウイルスを皮膚の細胞ごと破壊する治療が一般的です。難治な場合はCO2レーザー(炭酸ガスレーザー)自費診療での治療も行っております。

梅毒

梅毒は、梅毒トレポネーマという病原菌による感染症です。主に性行為で感染します。感染から約3週間後、外陰部に触れると硬いただれを生じ、足の付け根のリンパ節が腫れますが、これらの症状は自然に消失します。感染からさらに3ヶ月後に、手のひら、足のうらを含む全身にさまざまな発疹が生じます。多くの場合、何ヶ月かするとこれらの症状は自然に消失しますが、病気が治ったわけではありません。梅毒は昔の病気のイメージがありますが、最近患者さんが増加しており、感染した母親からお腹の赤ちゃんに感染(先天梅毒)する例も増えています。

治療

ペニシリン系の抗生物質で治る病気です。通常は飲み薬で治療しますが、重症の場合は注射で治療します。パートナーの検査・治療もあわせて行う必要があります。

淋病

淋菌の感染が原因で起こる性感染症のひとつです。男性では強い排尿時痛と尿道から膿がでるのが特徴です。女性は男性より症状が軽いことが多く、無症状の場合もあります。

治療

抗生物質が効きにくい淋菌(薬剤耐性菌)が増えており、治療薬は限られています。筋肉あるいは静脈注射で治療します。パートナーの検査・治療もあわせて行う必要があります。

尖圭コンジローマ

ヒト乳頭腫ウイルスが性器へ感染し、約3ヶ月程の潜伏期を経て、性器や肛門の周りに乳頭状、カリフラワー状のいぼができる病気です。

治療

数や大きさ、部位などによって、液体窒素で病変部を凍らせていぼを取り除く凍結療法、いぼを焼いて除去する電気メス、CO2レーザー(炭酸ガスレーザー:自費診療)の治療方法を選択します。また、効果的な外用薬(イミキモドクリーム)もありますので、症状に合った治療をしていきます。

口唇ヘルペス・性器ヘルペス

単純ヘルペスウイルスが原因で起こる皮膚、粘膜の病気です。ほとんどの方は成人になるまでに単純ヘルペスウイルスに感染します。普段は特に症状を起こすことはなくウイルスは潜伏していますが、ストレスや寝不足、疲労、過度の紫外線などがきっかけとなり発症します。ピリピリとした痛みを伴う小さなみずぶくれが特徴です。アトピー性皮膚炎の患者さんでは皮膚のバリア機能が低下しているため重症化しやすく、発熱やリンパ節が腫れるなどの全身症状を伴うこともあります。

治療

ヘルペスウイルスに対する塗り薬もありますが、早めの飲み薬(バラシクロビル、ファムシクロビル)での治療をおすすめします。頻回に繰り返す方には再発抑制療法を行います。

シラミ症

シラミ症はシラミが人に寄生し、吸血することでアレルギー反応を生じかゆくなる病気です。寄生する部位によりアタマジラミ症、コロモジラミ症、ケジラミ症に分けますが、それぞれ別のシラミです。アタマジラミ症は頭部の接触、ヘアブラシ、帽子の共有で感染し、家族間、幼稚園や保育園、学校で集団発生がみられます。コロモジラミ症は路上生活者に多く、ケジラミ症は性行為で感染します。

治療

市販のフェノトリンパウダーやスミスリンシャンプーで治療します。最近スミスリンの効かない、耐性アタマジラミが増加しており、治療に長期間かかる場合もあります。

疥癬(かいせん)

疥癬は、ヒゼンダニが皮膚の角質層に寄生することによって生じます。皮膚の直接接触の他、衣類や寝具を介して間接的にも感染します。以前は性感染症として発症することが多かったのですが、現在では家族内、病院内、保育園、老人ホームなどでの集団感染が問題となっています。夜間の激しいかゆみが特徴ですが、かゆみはヒゼンダニに対するアレルギー反応により生じます。

治療

ヒゼンダニに直接作用するフェノトリンローションの外用、イベルメクチンの内服で治療します。かゆみに対しては飲み薬(抗ヒスタミン薬)で治療します。患者だけでなく、家族や同居者にも問診・検査を行うことが大切で、疥癬と診断した場合は同様に治療します。