症状
・みずぶくれ、うみ・・1〜5ミリ程度の大きさの水疱や膿疱ができます。
・炎症・・・主に水疱や膿疱の周りに炎症反応が見られます。
・痒み・・・膿疱ができる部位にかゆみが見られる場合があります。
・爪の変形・にごり・・頻度は低いですが、爪の変形やにごりが見られる場合があります。
症状が出る部位
・手のひら・・・手のひらの中央、母指球、小指球などに見られます。
・足・・・・土踏まず、踵、足の縁などに見られます。
・その他・・まれに、手のひらや足の裏以外に膝などにもみられることがあります。
病気の原因
・扁桃炎、虫歯、副鼻腔炎、中耳炎などの病巣感染や、歯科金属などの金属アレルギーが関係していることもありますが、はっきりとした原因は現在のところ分かっていません。
予後
・患者さんによって異なりますが、多くは平均3〜4年で軽快すると言われています。
治療方法
①お薬による治療・・お薬による治療では、外用療法を中心に行います。外用療法であまり効果がない場合には内服治療や注射を行います。
②紫外線による治療
・PUVA(プーバ)療法・・光に対する感受性を高める薬を塗った後に波長の長い紫外線を照射します。
・ナローバンドUVB療法・・中波長紫外線(UVB)の中でも治療効果の高い狭い領域の波長を照射します。
・エキシマランプ・・特定の領域のUVBで、狭い範囲に照射するのに適しています。
その他の治療
・明らかな扁桃炎の関与が疑われた場合、扁桃腺を摘出することで、掌蹠膿疱症がよくなることがあります。また、虫歯、歯周病、歯科金属アレルギー、中耳炎が原因となっている場合は、それらの治療を行うことで掌蹠膿疱症が軽快することがあります。
🌟掌蹠膿疱症の患者さんは喫煙者が多いと言われています。喫煙と掌蹠膿疱症は何らかの関係があると考えられます。禁煙すると症状が良くなるかどうかは証明されているわけではありませんが、健康のためにも禁煙をすることをおすすめします。
何か気になることがありましたら、お気軽に当院へご相談ください。
掌蹠膿疱症について詳しく知りたい方は↓
https://www.maruho.co.jp/kanja/
今日もジトジト蒸し暑い日が続きますね。
早く、梅雨明けしないかと待ち遠しい日々です。
そんなジメジメした気分を一掃してくれる素敵な絵を待合室に飾らせて頂きました。
作品は「星降る夜」というタイトルで作者は大場寿子先生です。
大場寿子先生は、福岡県筑紫野市にギャラリー「風の木」を構えられ、CWAJ PRINT SHOW出品など受賞歴多数で九州国立博物館にて展示・制作実演され、各地で講師としても活動されています。先生の作品は、ペーパースクリーン版画という日本で生まれ日本で育った現代版画です。日本古来の「捺染」、「倭絵」、「紅型」等の技法に「謄写版」の技法、それに先生が発見工夫して得た「特殊な技法」を混じえて表現されます。和紙の繊維を透かした柔らかな質感があり、独特なマチエールと、色鮮やかな多彩なグラデーションが生まれます。版が残らず後刷りすることが出来ないため、作品に希少性が生まれます。(←http://keisukeandhisako.comプロフィール抜粋しました。)
作品を見ていると、何層にも折り重ねられた青色のグラデーションが心を癒します。
額縁と表装は夫でもあり同じ版画家の大場敬介氏の作品です。微妙な青の大理石が散りばめられた額縁と三つの段差をつけた奥行きを感じさせる表装は作品をさらに格上げし、見る人の心に深く感じさせられるものとなっています。素晴らしいマリアージュとなっています。
是非、来院された際には素敵な作品をご覧ください。
当院ではアレルギー検査を行っています。
アレルギーが疑われる症状かどうかは医師の診察にて判断いたしますが、アレルギーが疑われる症状がない場合は自費診療となりまのでご承知ください。
特異的Ig E測定
アレルギーの中にもいろいろなタイプがありますが、代表的なものがIgE抗体を介したアレルギーです。血清中の特定の抗原に結合する抗体があるかどうか調べるのが特異的IgE測定です。ダニ、ハウスダスト、花粉、カビ、動物などの抗体があるかを血液検査で調べます。
パッチテスト(金属アレルギー検査)
接触皮膚炎(かぶれ)の原因を確認する方法です。かぶれはIV型アレルギーと言われる遅発型過敏反応で原因物質に触れてから1〜2日程度経ってから症状が現れます。アクセサリー、歯科金属にはいろいろな金属が含まれ、長年装用している間に、体にアレルギー反応が起こることがあります。アレルギーの原因を取り除くことにより皮膚疾患が治癒あるいは軽快することがあります。
アクセサリーや歯科治療で使用される金属の16種類(アルミニウム、コバルト、スズ、パラジウム、マンガン、インジウム、イリジウム、クロム、ニッケル、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、水銀)を調べることができます。
パッチテストは、原因と疑われる物質(被検物質)を皮膚に貼って反応をみる検査です。
<テスト方法>
・パッチテスト用のシートに原因物質を染み込ませ、それを腕や背中に貼ります。貼っている間は汗をかいたり、濡らしたりしないようにします。
・2日後と3〜4日後の同じ時間に来院していただき、シートをはがし15分後に判定します。貼っていた部分が赤くなっていたり、腫れていたりすれば陽性と判断します。
*アレルギー検査について聞きたい、受けたいと思われる方はお気軽に当院までお尋ねください。
保湿剤によるスキンケアは、季節に関係なく、年間を通じて続けることが大切です。
保湿剤を正しく塗って皮膚を守りましょう!
保湿剤の役割・・健康な皮膚にはバリア機能があり、水分の蒸発や外からの刺激を防いでいます。しかし皮膚が乾燥した状態(ドライスキン)外からの刺激を受けやすくなります。
保湿剤は、皮膚の水分が逃げないように”ふた”をしたり、皮膚に水分を与えたりする役割を持っています。健康な皮膚を守るために、季節に関係なく、毎日保湿剤を塗ってスキンケアをしましょう!
・使用量の目安
軟膏やクリームは、人差し指の先端から一つ目の関節まで伸ばした量です。
ローションの場合は、一円玉大の量が約0.5gです。
フォームの場合は、ピンポン玉一個分です。
この量で手のひらの面積2枚分に塗れます。
・ティッシュが付く、テカる程度も目安です。
ティッシュが皮膚につく、または皮膚がテカる程度も使用量の目安となります。
基本的な塗り方
・手を清潔にして、保湿剤をとります。
・手のひらを使って、こすらずに、優しく塗り広げます。
塗り方の工夫
・入浴後5分以内に塗りましょう。保湿剤は皮膚が水分を吸収している入浴後に塗るのが効果的です。できれば入浴後5分以内に早めに塗るようにしましょう。
・塗る前に皮膚を湿らせておきます。保湿剤は皮膚から水分が逃げないようにふたをする役割があります。そのため、保湿剤を塗る前に水や化粧水で皮膚を軽く湿らせておくと、十分な保湿効果が得られます。
・軟膏(ワセリン等)は寒い時期は固くなるので手のひらで温めて柔らかくしてから塗りましょう。硬いまま塗ると、皮膚を傷つけることがあります。
・お子さまへの塗り方はムラなく、マッサージするように優しく塗りましょう。くびれなど
も塗り残しのないようにしましょう。
保湿剤の選択・・・季節によって選びましょう
夏:さっぱりと使用感の良いもの(ローション、フォームなど)
冬:皮膚を覆う効果の優れたもの(クリーム、軟膏など)
保湿剤について、使用方法や保湿剤の種類など何でもお気軽に当院までご相談ください。
見た目も悪く、かゆみもつらく、その症状が繰り返されると何か内臓に病気でもあるのではないかと気になるものですね。
今回はじんましんの話をしたいと思います。
じんましんの特徴
じんましんは、赤み(紅斑)をもった小さな皮膚のふくらみ(膨疹)が突然できる病気です。
患者さんによって赤みやふくらみの症状は様々です。数十分〜数時間の経過で消えるのですが、別の場所に現れてはまた消えることを繰り返すのが特徴です。
症状が現れてから6週間以内のものを急性じんましん、6週間以上のものを慢性じんましんと呼びます。睡眠を妨げるほどの痒みがあるので、特に慢性じんましんの患者さんにとってはつらい病気です。
赤み、ふくらみ、かゆみの仕組み
じんましんは、主にヒスタミンとよばれる物質により症状が起こります。何らかの刺激で皮膚のマスト細胞という細胞からヒスタミンが放出されると、血管への作用により皮膚の赤みやふくらみが、神経への作用によりかゆみが起こります。
じんましんの原因
じんましんは4〜5人に1人が一生に一度は経験するといわれています。じんましんには明らかな誘因がなく自発的に症状が現れるタイプ(特発性のじんましん)と皮膚の摩擦や日光、寒冷刺激や温熱刺激、薬剤、運動、体温上昇などに対する過敏性によるもの(刺激誘発型のじんましん)があります。じんましんの診断は主に問診と症状に基づいて行われ、一律にアレルギー検査や血液検査などの検査は行いません。刺激誘発型のじんましんでは、誘因となる刺激を避けることが大事です。じんましんの誘因には様々なものがあり、思い当たる場合は、問診の際に伝えてください。
じんましんの治療
じんましんの治療の第一目標は「治療により症状があらわれない状態」、最終目標は「無治療で症状があらわれない状態」とします。じんましんの治療は、特定の刺激に反応してあらわれるタイプの場合には原因となる刺激を避けること、特発性のじんましんでは抗ヒスタミン薬などの薬物療法が中心となります。
特発性のじんましんは、症状を起こすヒスタミンという物質の働きを抑えるお薬が効きやすく、しばらく治療を続けることによって治ることが多いのです。原因不明だからと諦めずに、しっかり治療することが大切です。治療内容はじんましんの症状と効果に応じてステップアップします。症状がよくなってきたら治療内容をステップダウンします。
自発的に症状があらわれるタイプのじんましんに対する治療ステップ
ステップ①・・・眠くなりにくい抗ヒスタミンH1受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬は、脳内に入ると眠気や集中力の低下を起こすことがあります。新しい抗ヒスタミン薬は脳内に移行せず眠くなりにくいように作られていますので安心してください。)
ステップ②・・・ステップ①の治療+ヒスタミンH2受容体拮抗薬や抗ロイコトリエン薬など(保険適用外)
ステップ③・・・ステップ②の治療+ステロイド薬内服、抗体医薬(オマリズマブ)、 免疫抑制薬(シクロスポリン:保険適用外)内服
*速やかに症状の軽減を図る必要がある場合、ステップ①→ステップ③に進むこともあります。
抗ヒスタミン薬による治療の進め方
①治療開始・・毎日決められた量・回数・抗ヒスタミン薬を内服します。
②症状が軽くなってきたら・・医師と相談しながら、薬の量・回数をだんだん減らしていきます。自分の判断で急にお薬を中止しないようにしましょう。
③症状がなくなったら・・症状がなくなっても、しばらくはお薬を飲み続けることが大事です。治療を続けることで症状を予防できることもあります。
じんましんに影響を与えるもの、治療法についてはたくさんのことが分かっており、その多くの場合には抗ヒスタミン薬が有効です
日常生活で刺激となりそうなものに注意をしながら、焦らず治療を進めていけば、やがてお薬なしでも症状があらわれなくなることも期待できます。
じんましんについてもっと詳しい情報を知りたい方は下記のサイトへどうぞ。
緊急事態宣言も延長され、もうしばらくの辛抱を要されているこの頃です。
自宅にいることが多くなり、本を読んで過ごすことが多くなりました。
最近読んだ本の中で
面白い本がありましたので少しだけご紹介します。
「皮膚の秘密」
作:ヤエル・アドラー
訳:岡本朋子
ヤエル・アドラー氏はドイツの皮膚科医で、世界20カ国以上で20万部のベストセラーだそうです。
人間の感じるという意味での五感は「見る」「聞く」の割合が大きいですが、実は皮膚から感じとることも大きいんです。
触覚である皮膚は圧や振動、温冷などを感じとるだけではなく、最近は光や音も感じ取ることができると言われています。
そんな皮膚の秘密をこの本ではじっくりと教えてくれます。一般の人にもわかりやすく説明してます。
皮膚は体の内部で起こっていることを映し出してくれます。内臓の問題だけではなく心の問題まで明らかにしてくれます。皮膚は私たちの身体の最大の臓器であり、最大の情報源です。
皮膚の構造から機能、病気からアンチエイジング、そしてスキンケアに至るまでの皮膚の全てがわかる一冊です。ご興味ありましたら一度、お手にとって見てください。
円形脱毛症は、類円形の脱毛斑を生じる後天性の病気です。頭髪のみならず毛髪が存在するあらゆる部位に発生します。年齢、性別に関わりなく発症します。
30代女性 令和3年5月中旬ごろ撮影↓
局所免疫療法を週に1回、3ヶ月治療経過 令和3年9月上旬撮影↓
原因
円形脱毛症では、頭髪に「自己免疫反応」というものが起きています。正常の免疫反応は、体内にウイルスや細菌などの異物が入ってきた際にTリンパ球という細胞が異物を攻撃するというものですが、このTリンパ球が異常を起こし、正常な自分の細胞を攻撃してしまうことがあります。これを「自己免疫反応」と呼びます。
円形脱毛症になると、頭皮では異常なTリンパ球が毛根を攻撃します。このために髪の毛が抜けるという現象が起きているのです。
円形脱毛症のきっかけはストレスや、感染症、睡眠不足、過度の疲労、出産、けがなどさまざまなものがありますが明らかな誘因がない場合もあります。
円形脱毛のタイプ
円形脱毛症は脱毛斑の数、範囲、形態などにより分類されます。円形の10円玉や500円玉のような形での脱毛が1ヶ所であれば「単発型」、2ヶ所以上あると「多発型」と言われます。脱毛の範囲が頭皮の25%以上になると重症となります。
重症の円形脱毛症には、「多発型」や頭髪の生え際が帯状に脱毛する「蛇行型」、頭髪の全てが抜ける「全頭型」さらに、眉毛や腋毛などの体毛も抜けてしまう「汎発(はんぱつ)型」という種類もあります。
治療法の選択
「円形脱毛症」の治療は、年齢や脱毛の範囲などにより異なります。
軽症であれば、ステロイドや塩化カルプロニウムなどの外用薬で治療を行います。そのほかエキシマライトやナローバンドUVBという光線治療を行う場合もあります。光線治療は脱毛した部分に紫外線を照射して、異常なTリンパ球を抑制する治療です。
これらの治療を行い、約3ヶ月〜半年ほど経過をみて治療効果を判定します。
重症の患者さんには「局所免疫療法」という治療を行います。これは化学物質(SADBE)を脱毛している部分に塗って、軽いかぶれを起こして脱毛を治すという方法です。化学物質に反応するTリンパ球が、円形脱毛症を引き起こしているTリンパ球の働きを抑えます。免疫のバランスを変えることで自己免疫反応が抑えられると考えられています。
当院では光線療法、局所免疫療法での円形脱毛症治療を行なっております。円形脱毛症でお悩みの方はいつでもご相談ください。
イボは大きく二種類に分けられます。
ひとつは“ウイルスが原因でできるイボ”、もうひとつは“紫外線や加齢が原因でできるイボ”です。
紫外線や加齢が原因のイボはウイルス感染ではなく、長年の紫外線による障害や、加齢による皮膚の老化、また洋服の摩擦による刺激などが原因で起こると言われています。突然起こるものではなく、年月をかけて徐々にイボができるのが特徴です。
脂漏性角化症 (老人性いぼ)
特徴 表面がざらざら褐色や黒色に盛り上がる。顔や手、腕などにできる。
原因 長年紫外線を浴びてできる
軟性線維腫(スキンタッグ)
特徴 数ミリ程度の柔らかいでっぱり。首やわきの下、鼠径部にできる。
原因 摩擦や加齢、紫外線など
治療
基本的には経過観察で問題はありません。痛みや痒みがある場合や希望がある場合には以下の治療法があります。
液体窒素療法(凍結凝固法)
液体窒素を患部に綿棒で押し当てます。
イボは、1回の治療で治すことは難しく、何回も繰り返して治療を行う必要があります。
1~2週間に1回行うのでこれを目安に再診してください。
液体窒素療法以外には、局所麻酔の注射後にメスで切ったり、電気を用いて焼き取る方法があります。症状に合わせて治療法をご提案いたします。
\治療のPOINT/
□液体窒素は、とても冷たいので、治療中は痛みを感じます。治療後もジンジンした痛みを感じることがあります。治療後の生活に支障がないように、患者さんの状態を確認しながら、治療の強さを決めます。
□液体窒素療法後は、そのまま普段通りの生活をして下さい。基本的には薬も消毒も必要ありませんが、必要に応じて抗菌薬を処方します。
□液体窒素療法では反応が強いと水ぶくれや赤く腫れることもあります。これは一時的なもので心配はありません。大きな変化が現れたときや不安なことがあれば受診してください。
初夏の訪れとともに、子供は外遊び、大人はガーデニングやハイキングなど、野外での活動が多くなりますが、それに合わせるように、皮ふに有害な虫も、活発に活動するようになります。この時期(主に5月から9月)に首から腕や腹部、背部に、かゆみの強い赤いポツポツが突然多発したら、それは「毛虫皮膚炎」かもしれません。
最近、「チャドクガの幼虫」による毛虫皮膚炎の患者さんが増加しています。
症状:体の左右どちらかに片寄ってかゆみの強い真っ赤な丘疹(ポツポツ)が、首、腕、体に多発します。
原因:チャドクガの幼虫の毒針毛に触れたことでなります。チャドクガの幼虫はツバキ、サザンカの葉にとりつくため、庭の手入れや公園の植え込みに近づいた後に被害を受けることがあります。幼虫(毛虫)に接触したことに気付いていない場合が多いようです。幼虫(毛虫)には無数の細かい毒針毛がありツバキやサザンカに近づいたり葉に触れるだけで被害を受けます。毒針毛が風に乗って洗濯物に付着し、被害を受けることもあります。
治療:ステロイド外用薬を塗布します。かゆみが強い場合は抗アレルギー剤やヒスタミン剤を内服します。通常は一週間以内にかゆみは良くなります。
予防:チャドクガの幼虫は主に5月から9月に発生するので、この時期はツバキ、サザンカに触れないように気をつけましょう。
鶏眼(けいがん)(俗称:うおのめ)とは
鶏眼は、通常大人の足にできる直径5mmほどの硬い皮膚病変です。歩行時に痛みを伴うのが特徴です。中心に芯が見えるので俗にウオノメと呼ばれています。
一定部位に繰り返し刺激が加わり、角質が厚く芯のようになり、芯が神経を圧迫して痛みを生じます。子供は一般的に皮膚が柔らかいため、鶏眼ができることは少なく、うおのめを主訴に受診されたお子さんのほとんどは、ヒト乳頭腫ウイルス感染による尋常性疣贅(いぼ)です。鶏眼は食い込んだ芯をしっかり除去することが必要です。中心部の芯の部分をメスやニッパー、ハサミで切除します。場合によっては鶏眼の大きさに合わせて切ったスピール膏を貼り角質を柔らかくした後に処置を行います。疼痛軽減や再発予防のためPediPAD(ドーナツ型のクッション)などを用いて圧迫除去を行うこともあります。
また、CO2レーザーで角質を蒸散させて治療することもあります(自費診療)。
べん胝(ベンチ)(俗称:たこ)
ベンチも同様に、皮膚の一部が慢性の刺激を受けて厚くなりますが、鶏眼と異なり、刺激を受けた部位全体の皮膚が少し黄色味を帯びて盛り上がり、痛みは無いことが多いです。ベンチは足底以外にも、生活習慣により、身体の様々な部位に生じます。(座りだこ、子供の指しゃぶりたこ、ペンだこ、ゲームたこ)ベンチは硬くなった角質を軟膏などで柔らかくしたりスピール膏やハサミ、メスなどを用いて適宜除去します。
治療だけではなく、生活習慣でも注意が必要です。鶏眼やベンチの原因である「同部位への慢性刺激」は不適切な靴や、生活習慣などが原因で生じるため、このような原因を見つけて、可能な限り除去することが最も重要です。
自分で削ることもできますが、セルフで行うことはなかなか難しいと思います。当院では鶏眼、ベンチ(たこ)の処置も行っておりますのでお気軽にご相談ください。