その他の疾患
かゆみや痛み、できもの・うつるもの以外のさまざまな皮膚の症状や疾患にも対応しております。不安があれば何でもお尋ねください。

膠原病(こうげんびょう)

膠原病とは、何らかの免疫の異常によって、皮膚をはじめとする全身の臓器に炎症を起こす病気です。関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、全身性強皮症、結節性多発動脈炎などが膠原病とよばれる病気です。膠原病は、膠原病内科、リウマチ科など内科や整形外科で診療することもありますが、皮膚症状が初発症状となることも多く、膠原病の早期診断において皮膚科医の果たす役割はとても大きいと考えます。皮膚症状から膠原病が疑われる場合は、全身症状を確認することが重要です。また、当初は皮膚症状のみでも、経過中に他の臓器症状が出現する可能性があることにも注意が必要です。

治療

難病といわれる膠原病ですが、関節リウマチでは生物学的製剤と呼ばれる新しいメカニズムの治療法が確立され、劇的に治療が進歩しています。皮膚科を受診することの多い全身性エリテマトーデスでも抗マラリア薬(プラケニル)が日本でも保険で処方できるようになりました。日光にあたることを避ける、体を冷やさない、喫煙をしないなど生活で注意しなければならないこともあります。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

手のひらや足のうらに白くぷつぷつとしたうみをもった発疹(膿疱)ができ、慢性に繰り返し出現します。約10%の患者さんは上胸部痛(胸肋鎖骨間骨化症)を合併します。

治療

ステロイド外用剤、ビタミンD3軟膏の外用薬や、症状がひどい場合はビタミンA誘導体(エトレチナート)の飲み薬を用いることもあります。エキシマライトなどの光線療法も有効です。重症で治りにくい患者さんは、生物学的製剤(グセルクマブ)という新しいお薬の治療が保険で可能になりました。慢性扁桃炎、虫歯や歯周病、副鼻腔炎(ちくのう)が発症に関わっている場合は耳鼻咽喉科や歯科のクリニックと連携して治療にあたります。タバコは症状を悪化させますので禁煙した方がよいでしょう。

がん・皮膚悪性腫瘍

皮膚がんの主な種類として、基底細胞がん、有棘細胞がん、悪性黒色腫があります。 基底細胞がんや有棘細胞がんは顔面に生じることが多く、悪性黒色腫は足のうら、手のひら、爪の下などに生じることが多いです。いずれも早期では痛みもかゆみもなく、一般の方ではイボやホクロと見分けるのが難しいです。がんと言ってても、早期に診断し適切に対処すれば心配はありません。気になるできものがあればまず皮膚科を受診してください。

治療

皮膚がんは早期診断、治療が原則です。治療はいずれも手術での摘出切除が中心となり、摘出が難しい場合には放射線治療や化学療法も検討し、総合病院と連携して治療にあたります。皮膚科の医師としてこれまで多くの症例を経験しておりますので、適切な検査をした上で診断いたします。

尋常性白斑

尋常性白斑とは、皮膚の黒い色素(メラニン)を作る細胞(メラニン細胞)が減少もしくは消失することによって、皮膚の色が部分的に抜けて白くなる病気です。原因は明らかではありませんが自己に対する免疫の異常が関わっているのではないかと考えられています。

治療

副腎皮質ステロイドの塗り薬で治療します。定期的な通院が必要となりますが光線療法も有効です。当クリニックでは、局所から広範囲まで症状が出ている部分に合わせて照射できる光線治療器2台(ナローバンドUVB、エキシマライト)を導入しています。

円形脱毛症

境界明瞭な円形の脱毛斑が突然できる病気です。大部分は頭髪に生じますが、眉毛や腕や脚の手にも脱毛がみられることもあります。最近では自分の毛を造る細胞に対する免疫の異常から引き起こされる「自己免疫疾患」と考えられています。

原因

円形脱毛症では、頭髪に「自己免疫反応」というものが起きています。正常の免疫反応は、体内にウイルスや細菌などの異物が入ってきた際にTリンパ球という細胞が異物を攻撃するというものですが、このTリンパ球が異常を起こし、正常な自分の細胞を攻撃してしまうことがあります。これを「自己免疫反応」と呼びます。
円形脱毛症になると、頭皮では異常なTリンパ球が毛根を攻撃します。このために髪の毛が抜けるという現象が起きているのです。 円形脱毛症のきっかけはストレスや、感染症、睡眠不足、過度の疲労、出産、けがなどさまざまなものがありますが明らかな誘因がない場合もあります。

円形脱毛のタイプ

円形脱毛症は脱毛斑の数、範囲、形態などにより分類されます。円形の10円玉や500円玉のような形での脱毛が1ヶ所であれば「単発型」、2ヶ所以上あると「多発型」と言われます。脱毛の範囲が頭皮の25%以上になると重症となります。
重症の円形脱毛症には、「多発型」や頭髪の生え際が帯状に脱毛する「蛇行型」、頭髪の全てが抜ける「全頭型」さらに、眉毛や腋毛などの体毛も抜けてしまう「汎発(はんぱつ)型」という種類もあります。

治療

「円形脱毛症」の治療は、年齢や脱毛の範囲などにより異なります。 軽症であれば、ステロイドや塩化カルプロニウムなどの外用薬で治療を行います。そのほかエキシマライトやナローバンドUVBという光線治療を行う場合もあります。光線治療は脱毛した部分に紫外線を照射して、異常なTリンパ球を抑制する治療です。これらの治療を行い、約3ヶ月〜半年ほど経過をみて治療効果を判定します。
重症の患者さんには「局所免疫療法」(保険適用外)という治療を行います。これは化学物質(SADBE)を脱毛している部分に塗って、軽いかぶれを起こして脱毛を治すという方法です。化学物質に反応するTリンパ球が、円形脱毛症を引き起こしているTリンパ球の働きを抑えます。免疫のバランスを変えることで自己免疫反応が抑えられると考えられています。
当クリニックでは光線療法、局所免疫療法での円形脱毛症治療を行なっております。円形脱毛症でお悩みの方はいつでもご相談ください。

薬疹

薬を飲んだり注射したりすることで生ずる発疹のことで、その多くは薬に対するアレルギー反応です。皮膚にかゆみを生じるだけではなく、発熱や喉の痛みなどの全身症状を伴うこともあります。重症の薬疹(スティーブンスジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症、薬剤過敏症症候群など)は生命に関わることもあり、早期診断が大切です。

治療

多くは原因になっている薬を中止することで改善します。かゆみが強い場合はかゆみを和らげる飲み薬(抗ヒスタミン薬)、ステロイドの塗り薬を使用します。発熱や体のだるさなど全身症状を伴う場合は、短期間、ステロイドの飲み薬で治療することもあります。重症の薬疹では入院での治療が必要となるため、総合病院と連携して治療にあたります。

手足多汗症・腋窩多汗症

手のひらや足のうら、わきの下などにたくさんの汗をかき、日常生活に支障をきたす病気です。手や足の多汗症の場合は手足多汗症(掌蹠多汗症)といい、わきの下の場合には腋窩多汗症といいます。全身の発汗が多くなる場合は内科的な問題(甲状腺の病気、糖尿病、悪性リンパ腫、膠原病など)のこともあります。

治療

わきの下の多汗症にはボツリヌス毒素の注射が有効です。個人差はありますが1回の注射で4ヶ月ほど効果が持続します。健康保険が適用されますがお薬が高いので、3割負担の方で約3万円の窓口負担となります。最近、保険適用のある塗り薬(エクロックゲル)が使用できるようになりました。手のひら、足のうらの多汗症には保険適用のあるお薬はありません。市販の塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどで治療します。

酒さ

顔面、特に鼻やほほ、眉間に赤みと毛細血管拡張が持続する原因不明の病気です。30歳以上の女性にみられることが多いです。病名に”酒”という字がついていますが、アルコールは増悪因子の1つでしかありません。ぶつぶつとした皮膚の盛り上がりがみられると、ニキビと間違われることもありますが両者は異なるものです。目の症状(結膜の充血)が合併することもあります。顔にステロイドの塗り薬を漫然と長期にわたり使用した結果、酒さと同様の皮膚症状を呈するものを酒さ様皮膚炎といいます。

治療

保険で行える治療で有効なものは少ないです。テトラサイクリン系の抗生物質やメトロニダゾールの内服は有効ですが治療は長期にわたります。鼻がこぶ状に盛り上がったりする重症の患者さんではCO2レーザー(炭酸ガスレーザー:保険適用外)での治療を行います。喫煙、アルコールやカフェイン、紫外線などは症状を悪化させますので生活習慣の改善も大切です。

老人性色素班

老人性色素斑とはいわゆるシミのことです。紫外線と皮膚の老化が原因です。顔や手の甲などによくみられます。数mm~数cm大の茶褐色から黒色の斑です。

治療

保険外治療になります。トレチノイン療法、ハイドロキノン、ケミカルピーリングなど塗り薬の治療、CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)や光治療などの治療方法があります。当クリニックでは顔画像撮影装置(VISIA-Evolution)で皮膚の状態をしっかり評価し、最適な治療法を提案いたします。しっかり日焼け止めを塗って紫外線対策を行い、悪化させないことも大切です。

男性型脱毛症

男性ホルモンの働きにより、男性の前頭部と頭頂部の頭髪が徐々にうすくなり、細く短い毛になります。通常は30歳以降、早い方では思春期以降に発症します。

治療

男性ホルモンの働きを抑える飲み薬(フィナステリド、デュタステリド)で治療します。市販されている塗り薬ですがミノキシジルも有効です。

まきづめ・陥入爪

爪の側縁が爪溝の皮膚に食いこんだ状態のことであり、爪部が赤く腫れ、化膿したりします。靴による圧迫、スポーツによる刺激などによって発症します。足の親指に多くみられます。

治療

化膿している場合は抗生物質の飲み薬や塗り薬で治療します。爪の処理としてテーピングで爪の食いこみを和らげたり、ワイヤーで巻き爪の矯正を行うこともあります。

睫毛貧毛症(まつ毛貧毛症)

まつ毛の量や長さが不十分な状態のことです。

治療

ビマプロスト(グラッシュビスタ)というお薬を1日1回、上まぶたの生え際に塗ります。このお薬は市販のまつ毛美容液とは違い、治療を目的として作られているお薬になるため、医療機関でのみ販売されています。このお薬はご自身のまつ毛を濃く、長くしていきますので、まつ毛が抜けるといった心配もありません。まつ毛エクステは、まつ毛への負担、アレルギー、異物感を感じるなどの問題があり、おすすめしません。